秋葉の火まつり(防火祭)





  毎年
  12月15日 午後2時半 御阿禮祭
  12月16日 午後1時半 例大祭
  12月16日 午後10時 火まつり(防火祭)








火まつりの説明








私達の遠い祖先は、中天高く吹き出た火山の火に、また雨雲を引き裂くような稲妻から、強風に煽られた大木の摩擦から起こる原始林に燃え立つ火に、恐ろしい火を発見しましたが、やがてその火を用いるようになりました。それは闇をも照らす火、囲炉裏を囲んで一家団らんする火、煮炊きする火となって、人間生活にはなくてはならないものとなりました。雄大な神秘の火は、古代生活の中でもっとも神聖なものとして、火の御祭を尊びました。人々には、いろいろな罪、穢れが知らず知らずにおこるものであります。これを祓い清めて明るき清き真の心にたちかえった時に、初めて神に通じるものであり、恩頼が戴かれるものであります。お祓いにはお塩で祓うとか、水で祓うとかがあります。
中でも一番強い祓いは、火でお祓いするのであるといわれます。寒い冬の季節を耐え忍ぶ人々は、一日も早く野山に草木の芽吹くのを待望んで火を焚き、その力によって、うららかな春の日差しを迎えようと神の祭りが行われます。こうして、古くから行われてまいりました秋葉の火まつりは、第一に火災焼亡の危急を免れ、第二に洪水波没の難を免れ、第三に諸厄諸病の難を免れ給うと、多くの人々の願いをこめて、三人の神職によってそれぞれの弓の舞・剣の舞・火の舞の三舞が、各々秘伝をもって奏されます。







弓の舞・剣の舞・火の舞




先ず初めは「弓の舞」であります。一の神職が弓を左手に鈴を右手にとって、初めは静かに次第に激しく舞いだし舞い狂うのであります。舞い終わりますと中央に進み出て、五本の矢を東西南北の四方に向け、最後に中央の天井に向けて次々に放ちます。このあたり方によって、来る年の豊年吉凶を占うのであると言われております。
次に「剣の舞」であります。二の神職が左に剣、右に鈴をとって、地上の精霊を宥め、悪魔を抑える舞を舞い、左右に二振りの剣をとって、振りかざし振りかざし、罪、穢れを切り祓う舞を舞うのであります。
最後に「火の舞」であります。御本殿の奥深く奉安されております万年の御神燈から火を移した松明が、舞殿に移されますので、その松明を受け取って頭の上に足もとに、高く低く振りかざし振りかざし、境内の常闇の中に人々の火難・水難・諸厄諸病を祓いやる祈りをこめて、あかあかと燃えさかる火の舞を舞い、舞い狂い、舞いおさめ、火防の祭りを終わるのであります。